先日、東京バレエ団・モーリス・ベジャールの「M」を見てきました。三島由紀夫の文学世界を振付家ベジャールがバレエの世界に引き込んだ作品です。
観に行った理由は世界で評価された作品への興味だけではなく、なにより友人小林十市が主演するからでありました。
彼はダンサーとして絶頂期に怪我で引退を余儀なくされた過去を持ちます。しかし今回、初日復帰公演・千秋楽引退公演と冗談の様な大真面目な二回公演が実現したのです。
ダンサーとしてのブランクへの挑戦は当然、僕とちょうど一ヶ月違いの41歳でB型で背丈も同じ位の男がどこまでやってくれるのか、実は非常に楽しみにしておりました。
彼は成し遂げました。
おそらく積み重ねた年齢と比例した経験、技術、思い、が若き頃のパフォーマンスを上回る物を見せてくれたのではないかと思わせてくれました。
鳴り止まぬ拍手の中、彼の心の内はいかばかりだったのでしょう?その時同時に私の心の中でも何かフツフツと燃える火がめばえたのは言うまでもありません。
負けちゃいられん。
シ(死)と言う役を演じたジュウイチのそのゴ(後)が楽しみになった一日でした。
お後がよろしいようで・・・